apapax’s diary

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じいさんの味覚障害

息子はコロナではなかった。

本当に、何だったのか?

味覚障害もどうやら気にならなくなってきたようである。

 

味覚障害がこのまま続くときついもんがあると言っていたが

とにかく自分は体験したことがないのでよくわからない。

職場の人が自分もなったことあるが、原因はわからなかったという。

なんにせよ、今の時期にそんなことになるとは、紛らわしい。

 

味覚障害亜鉛の不足が多いというと、息子は早速サプリメントを買いに行ったようである。

 

とにかく、コロナでなかったことはたくさん唾液を採取してはっきり分かったし、症状も熱もすぐに下がり、下痢も一回だけだったらしいから、よかった。

職場には1週間休んで復帰するとのこと。

3日間は事故扱いだそうで、2日は有休を使うことになるらしい。

 

味覚障害と言えば、昨日もじいさんが私の心を込めて作っている料理に難癖をつけた。

 

おかずは、豚肉の生姜焼きである。

朝から冷凍していた肉を解凍し、しょうがと酒、しょうゆにつけておいた。

それを夜はばあさんがさっと焼けばいいようにしておいたのである。

 

豚肉は数少ない爺さんが文句を言わず食べる食材だが、だれよりも先に箸をつけて、

「あー、しょっぱい。しょっぱくて食えたもんじゃない」という言葉が、隣の部屋で夫のおむつを替えている私の耳に聞こえてきた。

そして、「そんなことないよ。おいしいじゃない」というばあさんに「だったらこれ食べてみなよ。しょっぱいから」と言って、もういらない、と突き返す。

 

私は、そんなにしょっぱくしたっけ?と思いながら、全部やることをやって自分が食卓に着き、食べてみたが

 

しょっぱくなんかない。

むしろおいしかった。

 

いつも、何にでも自分でしょうゆをかけるくらいしょっぱくしてから食べるのが爺さんである。

 

あまりに腹が立ったので、「そんな風にしか食べられなかったらもったいないよ」

と言ってやった。

 

この前、テレビで所ジョージのおとうさんの話がやっていたが

お父さんは厳格な人だったが、大恋愛をして結婚し、毎日夕食のあと、おかあさんに

「おかあさん、今日の料理もグーだったよ」と一言言っていたようである。

 

所ジョージは、お笑いだが、人間味が感じられ、温かみのある人だとつねづね思っていたが、おそらくそのような家庭ではぐくまれた健全さがあるのだろう。

 

料理をおいしく食べる、それがどれだけ作り手の心を喜ばせるか。

そして、まずいという言葉や、自分の好みでないと箸もつけないといった態度がどれだけその人を傷つけるか

 

私は、偏食は人間の好き嫌いに通じるといつも思っている。

好き嫌いのない人はいないが、少ない人は人間に対しても許容量が大きい。

 

私は、爺さんのために一切料理を作ってあげたくないと思うこともしばしば。

私は、人が自分のために作ってくれた料理をおいしく食べる人間でいよう。